FaceBookを通じて「玄海原発プルサーマル裁判の会」さんから,きのう7月8日に,佐賀県消防防災課が「30キロ圏内の医療機関と福祉施設の避難計画はできた」という発表をしたこと,そして,同日の佐賀県知事の定例記者会見でも,この件が話題になったことを教えてもらった。
「原発避難計画策定も課題が」
07月08日 19時44分 NHK佐賀放送局
「原発事故避難計画を発表 30キロ圏医療機関など」
2014年7月9日03時00分 朝日新聞 佐賀
古川康・佐賀県知事定例記者会見
平成26年7月8日(火) 佐賀県:こちら知事室です(質疑応答:原発関連 その1)
質疑応答:原発関連 その2
なんだけど,これがすごい。防災課の計画自体も,30キロ圏内の医療機関と福祉施設の人たち全員が避難するわけではないという,わがままな佐賀県的判断満載の,あり得ない前提。で,しかも,そんな勝手な「計画」の正当性を説明している知事の発言は,天才バカボンのパパもお手上げの状態。マジにフツーの思考・論理を大きく逸脱しているんだが,その場で「アホかお前は!」っていう記者,いなかったの?
とくに知事の定例会見の記録「その2」にある知事のモーソー発言は読んでいるこっちの気が狂いそうになる。ちょっと長いけど引用する。
「...私どもは今回、福島で起きた(事故の)線量がどの方向にどれぐらい行ったのかということが大体16分の1方向だねというのと、5キロぐらいかなというのがあって、だから、16分の1と5キロというのを基本に考えたんですね。ただ、そのままだと、それは福島の事故を踏まえた計画としては十分じゃないだろうということで、16分の1の幅を2倍にして8分の1にし、そして、5キロというのを延ばして10キロにしたんですが、玄海の場合は10キロにすると唐津市の市街地が入らないんですよ。そうすると、あまりたくさんの人が避難されるという前提にならないので、それは15キロまで延ばそうということで、15キロまで延ばして、ある程度の人数が避難するという前提で計画をつくりましょうということでやったんですね。...」(佐賀県知事定例記者会見のページから知事の発言を引用)
「16分の1方向」とか「5キロぐらい」という物言いが,いったい何なのかにわかに理解できなかったんだけど,コレってもしかして,福島原発事故を語る際によく登場する放射線量分布マップで,たいてい赤系の濃い色で飯館村方向に広がっている,高い汚染地帯の範囲のことを言っているんじゃないかと想像される。
だから,この想像で「16分の1方向」の話を進めるけど,そもそも,避難すべきとする範囲の閾値を勝手に決めちゃっているというのも大問題なんだけど,その前提を共有したとしても(まともな人は,するわけないけど),その「16分の1方向」って,さぁ,これはたまたまの結果なので,事故直後に,誰も,瞬時に放射性物質が拡散する方向や範囲が予想できるわけじゃない。だから,一定距離にいる人が一斉に非難しなければならないので,その計画を作る必要が佐賀県にはあるんでしょ?? にもかかわらず,佐賀県的には「16分の1」,間違っても「8分の1」,という範囲になるんだという考え。いや,まともに考えられていたら,そんな話にはならないだろう。
で,さて,今の直後の知事の発言をまた引用しておく。
「...みんなが一斉に避難をするというふうになる可能性もあるではないかというご指摘を時々頂戴いたします。もちろんその可能性はゼロではないと思っていますし、そうなったときにどうするのかということも含めて、いろんな検討はしているところではあるんですけれども、やはり大事なことは、何かちょっとあったときに、30キロ圏内の方が全員一斉に避難するというのは、本当に避難を先にしたほうがいい人たちの避難もできなくなるということもありますし...」(佐賀県知事定例記者会見のページから知事の発言を引用)
あー,だから30キロ圏全員避難は,そもそも「佐賀県の場合ムリ」っていう宣言なんですかね。「唐津市の市街地が入らないんですよ」と,直接に名指しされていた唐津市の人でなくとも,マジ,怒りの声をあげようよ。
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