2015年6月3日水曜日

日本にはドローンを所持しているだけで警官に拘束される場所がある

●ノエルは合法を目指す
 ノエルが逮捕され,勾留期間は既に2週間だ。彼の活動はオンラインで行われ,(不当にも)威力病無妨害とされる行為は,配信公開されていたから,証拠は既に揃っているはず。そもそも「威力業務妨害」というあやふやな嫌疑で,これほどに長期間拘束される理由はない。これはまさに警察による私刑である。ノエルの心身状態が心配である。

 ノエルは,常に合法のラインで行動しようとし,また,相手にもそれを求めている。それに対し,警察は,身分も明かさず,行動の根拠・理由も示さず,違法な対応を繰り返している。法を守って行動するように求めるノエルの態度を「騒動を起こした」などと言うのは,完全な間違いだ。

 目前の警官に対し,その身分を確認すること,その行動の理由を確認すること,さらに自らに対する警察の行動の意味を確認し,また,不当な行為を拒否することは正当な行動である。これを否定してしまえば,この国は,人権を否定し,民主主義の国ではなくなってしまう。それは「いつか来た道」である。


●警官の横暴
 2015年5月14日,この日ノエルは,江戸城の高さから見た景色を配信すべく,条例でドローン飛行が禁止された都立の公園をわざわざ避けて,衆議院が管理するという憲政記念館前庭の洋式庭園にいた。ここでドローンを飛ばそうとして「保護」(補導)されたとマスコミは報道しているが,それがいかにおかしな(不当な)ものであったのかを,ノエルの配信で見てほしい。

 ドローン:今度は憲政記念館近くで 「善光寺」15歳聴取(毎日新聞 2015/05/14)
 http://mainichi.jp/select/news/20150515k0000m040007000c.html

 ※「きょうの切り抜き帳」サイトによる記事の引用掲載
   http://netmo.seesaa.net/article/418986251.html

 なお,ノエルが利用していたアフリカTVなどの配信サイトの映像は,記録が消えて視聴できなくなっているが,ノエル公式サイトからリンクのあるYouTubeの「ノエル放送局」のムービーは,今でも確認できる。
 ノエルの大ファンの一人,粉川哲夫が指摘する通り,彼の配信は,チャットが重要な位置にあるので,本来の配信内容を確認するには,まさにライブを体験するしかないのだが,丁寧にもチャット画面が合成されたムービーも示されている。これを頼りに追体験してみたい。なお,ファイル名には通し番号も付けられているので,比較的検索は容易である。14日の一件は,【1140】と番号が付けられたムービーに収録されている。

 ドローンと「不敬罪」 (2015/05/22) (粉川哲夫の「雑日記」)
 http://cinemanote.jp/diary/20150418-.html#201505220410

 ノエル放送局(YouTube)
 https://www.youtube.com/user/SEIYAch
 http://urx2.nu/pGnJ

 【ノエル】ネット少年 ドローンを置いたら落とし物扱いされた FlyInTOKYO【ニコ生】【1140】
 https://youtu.be/b4Gt9yGuqwE
 ※動画が削除されているが,下記の引用動画などを視聴できる
  【ノエル】 ドローンを取られてオコ!【ノエル】VS【警察】
  (YouTube  Bas Fromチャンネル -niconicoより- 2015/05/23)
   https://youtu.be/G4xDp63lGxo

 ※下記は,ニコニコ動画で引用掲載されている
  【ノエル】 ドローンを取られてオコ!【ノエル】VS【警察】(ニコニコ動画 2015/05/20)
   https://www.nicovideo.jp/watch/sm26297566

 ムービーを見ると,ノエルが配信を開始して間もなく,おそらく,彼がドローンを地面に置いた途端,突如,あらかじめ彼を監視していた警官がノエルのドローンを取り上げたものと思われる。その場面自体はアングルの外だが,「触るのやめてもらえますか」と叫ぶノエルに対し,警官は「これ,落ちていたもんだから」という,あり得ない言い訳をしている声が聞こえてくる。まさに,ムービーのタイトル通り「ドローンを置いたら落とし物扱いされた」わけである。

 警察のこうした違法な「取り締まり」は常態化しており,小説やドラマでも「別件逮捕した」といったセリフで表現されることがある。だが,これは許されることではない。どんな場合でも,基本的な人権を守った上での捜査や取り締まりが求められる。

 さらにムービーを視聴して行くと,「お願い」と言いながら飛行禁止を「強制」し,正当な理由を説明できない警官の聞くに堪えないセリフにと行動に付き合うことになる。強調しておくが,お騒がせなのは警官の方だ。
 そして,4分50秒あたり,警官がカメラのレンズを手で覆い,これから,映像に残っては不都合な行為を始めるという合図のようにも思える。「勝手に撮影してるんだろ?」「何の権限があって撮影している」という警官の声も聞き取れる。どうやら,この国では,ムービーを撮影するにも,官憲の許可が必要になってしまったようだ。

 とうとう5分30秒頃には,カメラの接続が警官によって切られてしまう。5分50秒あたり,配信画面は消えて音声のみの中で,「任意ですか?」「任意です」「じゃ断ります」というやり取りの次に,「ご協力をお願いします」という警官の声がしたと思ったら,その言葉とは裏腹に,無理やりノエルを「保護」しているように聞こえる。
 その後は,6分10秒あたり,「管理者から持ち込み禁止と言われている」だの「撮影禁止」だの言いたい放題だ。この,警官たちによると,ドローンへの規制は,法律が発効するその前に,「所持自体」も拘束の理由となってしまっているらしい。

 その後,ノエルは,とうとう拘束(「保護」)された警察車両の中から配信を継続する。この場合,「保護」なのだが,拘束された警察車両内部からのライブ配信は本邦初公開なのではないか?

 【ノエル】ネット少年 警察手帳を見せない警官(車内にて)【アフリカTV】【1148】
 https://youtu.be/_Y8SvwLFL-0
 ※下記はニコニコ動画に引用掲載されているもの
 【ノエル】ネット少年 警察手帳を見せない警官(車内にて)(ニコニコ動画 2015/05/29)
  https://www.nicovideo.jp/watch/sm26367647


 不法行為に抵抗するのは人として当たり前。ノエルは未熟な子供であり大人の教育が必要だとする意見もあるが,ノエルの言葉を聞くと,彼がルールを調べて発言しているのが良く分かる。若者に対し,法に基づく理由をきちんと説明し,説得できないのは大人の側ではないか。この国の未来は暗いと言うほかない。


「逮捕された、ノエル君の釈放を求める」署名のお願い(Change.org さゆふらっとまうんど 2015年5月25日)
http://chng.it/m9N5fLrhX5

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