2015年6月3日水曜日

ドローン規制,ご都合主義のマスコミ

 ドローンは危険だから,法の有る無しに関わらず,規制や取り締まりが必要と言う意見がある。ノエルの行動を規制する立場の意見だ。ただし,ここは法治国家だ。まして,それが警官の行動ならば,法律をはみ出して市民に手出しをしてはならない(とは言え,ありもしない嫌疑で「逮捕」というのは,常に,デモなどで発生しているのも事実!)。

 この間,マスコミは,警察に不当逮捕されたノエルを悪者にして,勝手な報道を繰り返してきた。しかし,とにかくドローンは危険なものだから飛行させてはならないというのなら,この間,マスコミ自身が提出したドローン規制緩和の要請は,どのように理解すればよいのだろうか。

 (報道発表)小型無人機「ドローン」の規制に対する意見(民放連 2015/05/28)
 http://www.j-ba.or.jp/category/topics/jba101501

 「ドローン」規制法案 日本民間放送連盟、自民党側に申し入れ(FNN 2015/02/27)
 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00293345.html
 ※このページは削除されている
 
 民放連、ドローン規制「強く憂慮」 自民に申し入れ(日経 2015/05/27)
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27HAO_X20C15A5CR8000/

 民放連 ドローン規制法案に申し入れ(日テレNews24 2015/05/27)
 http://www.news24.jp/articles/2015/05/27/04275970.html

 ドローン規制法に「強く憂慮」 民放連が申し入れ(ITmediaニュース 2015/05/28)
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1505/28/news148.html

 
 民放連の報道発表では,ドローン規制法案の「対象施設周辺地域が広範囲に及ぶことについて」反対の意見を示している。これは,明らかにマスコミが市街地でドローンを飛行させたいという意思の現れなのだが,法律がなくとも警官がこれを取り上げ,規制すべきものであるとするなら,ドローンは,とにかく危険な代物という認識のはずだから,おかしな話ではないか。むしろ,「“無秩序状態”を前提に広範囲に規制をかける動きは、妥当性を欠いていると考え」るのなら,ノエルに対する警官の行為も,同様に「妥当性を欠いている」と報道すべきではないか。

 また,ドローン飛行に関して,「報道、学術、設備点検、測量、映像制作など国民の利益に資する正当な業務」と「テロなどの違法行為」があるとしている。例えば,趣味の領域など,そもそもどこにも無いという物言いで,そのおかしさに困惑してしまうが,この裏には,「報道」を業務とする専門家と,その他,何もしない「一般の人」という認識がある。だから,業務以外は犯罪行為になるという理屈である。かつて,近未来の超管理社会を描いたジョージ・オーウェルの「1984」の世界のようだ。

 これまた,ノエル批判の言説で,「報道人」と「一般人」であるノエルは異なる立場なのだという,報道における身分制の認識を示している者がある。一般の,というのは,つまり,我々すべてのことなのだが,それは何もしない存在ではない。積極的に行動して表現するのは,憲法にも示されている通り「当たり前」である。テレビやラジオなどの電子メディアにおいても,市民が情報発信の手段を持つ権利は,いわゆるパブリックアクセス権として,ネット時代のはるか以前から広がっている。ノエルの配信は,これを一人で成し遂げてしまった。警察もマスコミも,第二第三のノエルが現れたら,それこそ既得権を失うことになる。脅威の出現に,自らも変化して対応すればよいものを,古い体質をむき出しにして若者に襲いかかっている姿,見苦しい限りではないか。


「逮捕された、ノエル君の釈放を求める」署名のお願い(Change.org さゆふらっとまうんど 2015年5月25日)
http://chng.it/m9N5fLrhX5
※キャンペーンは終了している

1 件のコメント:

  1. 情報を、発信する権利は、マスコミだけのものではない。
     ただ、迷惑、迷惑と拘束するのではなく、誰が、どのように、
    どの程度の被害、迷惑をこうむったのか、論理的、証拠を
    しめして説明すべきである。 
    曖昧、抽象的に攻撃するだけでは、納得できないのは当然である。

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