福島原発の事故によって人々が避難を余儀なくされ,また,多くの人々は死の灰の恐怖におののきながらの生活を強いられ,さらに,明らかに危険な環境で,高い放射線を浴びながら復旧作業に従事する人たちがいるという状況下で,このようなおぞましい展示が続いていました。
これは,佐賀県立宇宙科学館で,東日本大震災の後,2011年4月になっても展示が継続されていた,「電気をつくろう」の中の「原子炉を運転してみよう」という展示です。
そもそも,巡回展示「電気をつくろう」は,財団法人つくば科学万博記念財団が,文部科学省からの委託事業「原子力・エネルギーに関する施設の見学等」として実施している複数の巡回展示企画の一つです。驚くことに,こんな展示が,あちらこちら,全国津々浦々に展開されているのです。さらに呆れたことに,この「電気をつくろう」の展示は,既に展示期間が終了していて,この時点では,もう存在しないはずのものだったのです。
この展示では,原子炉の安全性が語られていますが,実際には,危険極まりない代物というのは,もう,だれの目にも明らかではありませんか。また,「核燃料リサイクル」のコーナーでは,湯水のようにお金を投入した挙句に,運転不能に陥ったままの「高速増殖炉もんじゅ」の写真が,それも,直接テキストからの言及もなく傍らに貼り付けられているという有様でした。つまり,「核燃料リサイクル」という絵空事が,これまた,動きもしないで毎日5500万円消費している(稼働されると,それはそれで困ってしまう)「高速増殖炉もんじゅ」によってなされているかのように「見せかける」,そんな説明になっているわけです。
これは,もはや教育でも科学でもなんでもない,出来の悪いペテンというものです。私は,「こんなものはすぐにやめてしまえ」と,大声で怒鳴り続けました。やがて,目の前に宇宙科学館の職員2名が現われたので,私はさらに「空気や飲み水に毒をばらまくような代物...」と叫びました。そうしたら,その2人はニヤニヤしながら「放射性物質は-毒-とはちょっと違いますねぇ」と反論し,また,「今回は想定外のことで,まだまだこれから時間をかけて検証しないと」などと,愚にもつかないことをしゃべりだす始末です。
まあ,そもそも佐賀県は,「プルトニウム飲んでも大丈夫」「原発が爆発するなんてあり得ない」の大橋弘忠 東京大学教授の発言を鵜呑みにするような組織ですから,「科学」の程度もこんなものでしょう。けど,だからといって,罪のない子供たちを迷わせるようなことはしないでもらいたい!
佐賀県立宇宙科学館
財団法人つくば科学万博記念財団
原子力・エネルギーに関する施設の見学等
自らコメント書いています。このブログを書いて,さてと,動作に間違いないかと「原子力・エネルギーに関する施設の見学等」のリンクをクリックしたら,未だに,同じ展示が継続中であることを発見してしまいました。
返信削除ホントに,アホとはこのことです。