2017年12月25日月曜日

2017年の東京における放射線環境は如何に?

今年2017年,東京の「放射線環境」は如何に?

東京都健康安全研究センターの環境放射線測定結果によると(http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/),都内の1時間あたりの放射線量は,だいたい0.03マイクログレイ(マイクロシーベルト/時間)前後となっていて,飲み水からも放射性物質は検出されていない。
だが,これは,ビルの上や,きれいに舗装した地面にある測定装置の結果で,水道の場合も,超絶技法で真っ黒な江戸川の水が無色無臭に加工された結果で,より生活に密着した数字を見るのが現実的だろう。そこで,適当に,東京都や自治体のサイトから数字を抜き出してみた。

●江戸川清掃工場・葛西水再生センターの周辺における放射線量の測定結果について 平成29年度通年(江戸川区 更新日:2017年11月29日)
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/shinsai/housyasen/kunai_sokutei_kekka_h29.html

※江戸川区が各所で空間放射線量を測定していたのは,原発事故のあった2011年だけ。あとは,放射性物質が濃縮される施設とされる江戸川清掃工場および葛西水再生センターの周辺のみ。これでは,ヤル気がないという他ないが,11月の江戸川清掃工場周辺の測定では,最高が0.1で最低が0.07マイクロシーベルト/時間(以降時間は省略)。
ちなみに,2011年12月の測定では,南小岩保育園のすべり台下が,地上5㎝で0.29マイクロシーベルトで,ここの土を入れ替えて0.1マイクロシーベルトになったと表記されているが(それでも高くないか?),他に,同じく地上5㎝で江戸川小学校のジャングルジムが0.23マイクロシーベルト,船堀第二小学校ののぼり棒と,鹿本幼稚園のジャングルジムが0.22マイクロシーベルト,春江中学校の第2グラウンドと,滝野公園の中央・木陰(南側)が0.21マイクロシーベルトと続くのだが,これらは,それっきり何にもしてないということ? 後述の豊島区では,0.23マイクロシーベルトでも土の入れ替えなどの対策をしているぞ!


●空間放射線量の定点測定結果について(葛飾区 更新日 平成29年10月11日)
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000063/1004026/1004080.html
空間放射線量定点測定結果一覧 (PDF 123.3KB)
http://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/080/291005sokuteikekka_s.pdf

※葛飾区の測定は3月ごとに行っていて,測定ポイントは比較的多く,また,数値の差が大きい。最高は東金町運動場多目的広場(東金町8-27-1)で0.11マイクロシーベルト。次いで,東立石緑地公園(東立石4-6-10)とにいじゅくプレイパーク(新宿5-21-10)の0.1で,最低は木根川中央公園(東四つ木3-47-1)の0.03マイクロシーベルト。


●これまでの放射線量の測定結果(継続測定箇所)[千代田区 更新日:2017年12月13日]
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/bosai/higashi/hoshano/kekka-kezoku.html

※千代田区では,今年2017年を通して0.01マイクロシーベルトほど下がっているようだが,測定店の中では一番数値の高い千代田区役所前庭は,2017年1月から3月には地上1mの地点で常に0.08マイクロシーベルトで,10月から12月になっても0.06から0.07にとどまっている。ちなみに,千代田区では,2011年の7月前後には,多くの場所で0.1マイクロシーベルト前後だった。


●区内での空間放射線量定期測定(新宿区)
http://www.city.shinjuku.lg.jp/anzen/kuukanhousyasen_01.html

※空間放射線量の測定等について,新宿区では区庁舎前での測定のみとなっているが(ヤル気ない?),今年2017年を通して地上5㎝と1mで0.05から0.07マイクロシーベルトと,原発事故直後から減っていないというか,微妙に平均して0.01ほど高くなっているような?


●豊島区の放射線独自測定について(豊島区)
http://www.city.toshima.lg.jp/153/machizukuri/sumai/hoshasen/sokute/index.html
区独自の空間(大気)放射線量測定【定点測定】結果
http://www.city.toshima.lg.jp/153/machizukuri/sumai/hoshasen/sokute/023411.html

※豊島区では「現在、区の東西中央の3か所の定点測定施設にて、隔週で空間(大気)放射線量測定を実施」とある。このうち,今年2017年,一番値が低い朋有小学校(東池袋4-40-1)の砂場の上5cmでは0.04マイクロシーベルト前後だったのに対し,要町保育園(要町3-17-11)の砂場の上5cmでは0.08マイクロシーベルト前後と2倍になっていた。
また,これまでに「局所的に高い値(地上5センチメートルにて0.23マイクロシーベルト/時間以上の値)を計測した場所については、除染等の対応を実施」したとして,2015年にも,谷端川南緑道(西池袋4-5-5)の池袋3-71先植え込み内で地上5㎝で0.5マイクロシーベルトものを地表の土を入れ替えて0.1マイクロシーベルトに,西池袋公園(西池袋3-20-1の)備蓄倉庫雨どい出口植え込み内で0.44マイクロシーベルトだったのを地表の土を入れ替えて0.09マイクロシーベルトに,大塚台公園(南大塚3-27-1)親水施設滑り台上部植え込み内で0.3イクロシーベルトだったのが地表の土を入れ替えて0.07マイクロシーベルトになったとしている。ホットスポットは,まだありそうだ。


●空間放射線量の測定(国分寺市)
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kurashi/jishinkanren/1000488/1013228/index.html
公民館・図書館測定結果(12月13日更新)
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kurashi/jishinkanren/1000488/1013228/1000647/1007034.html
保育所・子ども家庭支援センター・つくしんぼ
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/kurashi/jishinkanren/1000488/1013228/1000644/index.html

※国分寺市は,今年度から,大幅に測定ポイントを減少させたようで,比較的高い数値だった職場近くの南町さんかく公園(南町3-26-13)は,今年度から測定ポイントではなくなっており,前年度最後2017年3月の記録だと地上5㎝で0.073マイクロシーベルト。ただし,すでに,ここは2012年1月に除染作業をしているようなのだが...。
また,学校や公民館等では測定を続けていて,例えば,今年2017年12月のもとまち公民館・図書館の玄関付近では,地上5㎝で0.093,地上1mでも0.091マイクロシーベルトと比較的高い数値だ。公立学校等は比較的低い数値だが,もとまち公民館と同様の数値は他の公民館や保育所・学童保育所・児童館などでも確認できる。
多摩地区は都心よりも原発から遠いので安心,ではない!


●発生土の放射性物質の測定結果[東京都水道局]
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suigen/shinsai/hasseido.html

※水道は,あの小汚い江戸川の水をミラクルな技で無色無臭にしているので放射性物質は不検出とされているが,逆に,処理の過程で発生する浄水場発生土を見れば,原水の汚染がわかると思う。これまでも,利根川系の江戸川から取水している三郷と金町浄水場殻の発生土の数値が高い。3年ほど前までは300ベクレルぐらいだったのが減ってはきているが,今年2017年は,セシウム134と137の合計で金町(9月)が126ベクレル,三郷(11月)は113ベクレルと最高値は3桁を維持! うれしくない記録。


●下水道 放射線情報(平成29年(2017))[東京都下水道局]
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/business/technology-statistics/radiologicalinfo/2017/index.html

※浄水場発生土の汚染のピークと同時期,今年2017年の9月1日発表の葛西水再生センター(江戸川区臨海町)から発生する汚泥焼却灰及び混練灰に含まれる放射能濃度は,セシウム134が200とセシウム137が1500で合計1700ベクレルで今年最も高い数値だ。ただし,オリンピックの水泳(マラソンスイミング)とトライアスロンの競技会場となっている「お台場海浜公園」の水質問題で明らかになったように,東京の下水は,雨が降って水量が増えると海にだだ漏れなので,さらに多くは東京湾に流出しているかも。