2011年10月17日月曜日

DoseRAE2 PRM-1200の誤差とは

さてと,困ってしまいました。ほとんど,安物放射線量測定器マニアになってしまった経験から,一番使いやすそうだと判断したのが,このDoseRAE2 PRM-1200なんです。それで,もろもろ手広く測定しようということになって,二台目を購入。...したところ,どうも,新旧購入した二台間で,0.02マイクロシーベルトほどの差が出るのです。

もちろん,比較的安定して数値を出すDoseRAE2でも,微妙に測定値が上下する時があるので,二台の間で,数字がピッタリ合致する場合もあります。しかし,何となく一台が高くて,一台が低いという傾向は,はっきりしています。

今のところ,低い数値を出す,新規購入マシンの方をメインに使っています。低いのが,気分いいですからね。しかし,この映像,都内にある某住宅の内部なんですが,中間をとって0.09マイクロシーベルトとしても,高いと思いませんか?

DoseRAE2 PRM-1200日本代理店GS Lab.のブログ

2011年10月15日土曜日

Occupy Tokyo 2011/10/15

ウォール街を占拠せよ 世界同時アクションin東京

2011年10月15日 米国の「ウォール街を占拠せよ」のグループは,2011年10月15日を「国際アクションデー」とし,全世界でこの日に一斉に立ち上がろうと呼びかけ,東京でも各所で「占拠」が行われました。これは,六本木三河台公園での行動で,Skypeを使い,ワシントンD.C.の現場と交流しています。

Occupy Tokyo(Roppongi)
http://occupytokyo.web.fc2.com/index.html

Occupy Tokyo(Hibiya)
http://occupytokyo.org/ja/

Occupy Tokyo(Shinjuku)
http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20111009/1318172611

2011年10月9日日曜日

ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」

これは,YouTubeに2011年10月7日にアップされていました。福島原発の労働実態を取材したドイツZDFテレビの番組のようです。

東京電力への取材シーンもありますが,「下請け企業のことは分からない」と,平然として答えています。このYouTubeのページにも同様のコメントがありますが,人の命を粗末にしながら,その上に立って,平気で給料をもらってのうのうと生きている人の顔が映っています。

こういう考え方や返事をする東京電力という組織は,当然,人間の心身問題が,動物実験で明らかになったとほらを吹く,長崎大の山下俊一のように,まったく信用できませんね。社会のクズです。 

私も,東京電力から電気を買って,このデータを入力しているわけですが,この,作業着の東電社員みたいに,死神の仲間にはなりたくありません。先週は,汚染牛肉問題から,食品一般の安全について,自治体に要求を出してみました。今週は,東京電力に電話をかけてみます。とりあえず,汚染された土は,ばらまいた人に回収してもらおうと思います。

それから,最初に投稿した時に書き忘れていたけど,こういうツッコミを日本のマスコミで見たことが無いし,もちろん,政府もやらないし,警察も知らんぷり。みんなグルで,悪い奴ら,です。

2011年10月6日木曜日

VirtualBoxの新版にはExtension Packが必要

久しぶりにVirtualBoxを起動したら,新バージョンの案内が出て来た。毎度,新バージョンにすると,何らか問題が起こるのだけど,今回は,USBが問題だと言って,Windowsもubuntuも起動しなくなった。

何度か同じことをやってアラートを良く読んでみると,何やらインストールすべしというご神託が。それで,ダウンロードページにいくと,VirtualBox 4.1.4 Oracle VM VirtualBox Extension Packというのがあった。要は,これをインストールすればいいという話らしい。

しかし,だったら最初っから内包していればいいじゃない? と思いつつ,またその次に,(説明読め,という話だが)落ちて来たOracle_VM_VirtualBox_Extension_Pack-4.1.4-74291.vbox-extpackっと,長ったらしいこいつを,どう扱っていいか分からない。仕方ないからダブルクリックしたら,インストール画面が登場した。

あとは起動して,デバイスメニューから,Guest Additionsのインストールを選んで,いつものヴァージョンアップの儀式が終了した。いや,どこかに落とし穴がありそうだけど,いつもハマっている周辺機器の利用は後日に(でも,最近はあんまり問題はないような...)。

汚染牛肉は未だ流通中 3

さて,10月6日,東京都の東京都福祉保健局健康安全部健康安全課:03-5320-4657に,稲わら汚染牛肉流通問題で,確認の電話をかけた話の続きです。しつこく問い詰めたら,たらい回しにあったということですが,今度は,乳肉水産係というところに電話がつながりました。

ここでの説明は,健康安全課より,もうちょっとまともでしたが,それでも納得のいくものではありませんでした。
まず,東京都では,各都道府県から個体識別番号の報告があれば(この件で,都や府からの報告は無かったように思います),すぐに,流通をストップするように関連業者に通知しているというのです。そして,個体識別番号の発表は,とくに,8月25日に出荷解禁となった岩手宮城福島の3県については,出荷解禁日以降に新たな個体識別番号の発表は無いので,危ない肉の流通は防いでると認識しているというのです。

しかし,その東京都の通知というのは,何ら強制力があるものではありません。500ベクレルを超えていることが判明したら話は別ですが,その前の段階では,疑わしいというだけで,暫定規制値の下にあるかも分からないから,法的強制力は無いのです。また,通知を出したところで,それが,どのくらい末端まで届いているのか,はなはだ疑わしいところです。

おまけに,「出荷解禁日以降に新たな個体識別番号の発表は無い」というのは嘘で,宮城県に限定しても,8月25日以降,厚生労働省がアップした個体識別番号のリスト日付からすると(おそらく宮城県の公表はその1日前),8月31日,9月3日,9月5日と,五月雨的に疑わしい牛肉の番号が公表されていて,この乳肉水産係の担当者は,私が指摘するまで,その事実の認識が無かったのです。こんなことで,大丈夫なはずは無いですね。

放射性物質が含まれた稲わらを給与された可能性のある牛の肉の個体識別番号について(福島県以外農家出荷分まとめ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jzem.html

放射性物質が含まれた稲わらを給与された可能性のある牛の肉の流通状況について(福島県内農家出荷分)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jyvq.html



この,福島県以外と,さらに福島県のリストを合計すると,4000頭以上の牛が疑わしいと報告されているのが分かります。そして,その多くについて,検査結果が書かれていないのです。つまり,汚染があるとも無いとも分からないのです。

ちなみに,お隣の埼玉県では,2011年10月1日更新で,下記のような告知がなされていました。ここには「放射性セシウムに汚染された稲わらを与えられた牛の肉が、すでに全国的に流通していることが判明しました。」と書いてあります。そこで,埼玉県食品安全課048-830-3425に電話しました。

放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/sa-esaosengyu.html

埼玉県の説明では,これは,以前から掲示して1日に更新されたものだとしながら,確かに,流通している可能性を否定できないことを認めました。その上で,500ベクレル超過が判明した段階で,回収しているから,心配ないだろうというのです。またも,同じく,「500ベクレル超の肉を食べたからと言って,まだまだ大丈夫」説が出てきます。

東京都のように,個体識別番号が出て来た時点で流通業者に警告を出すけれど,市民に対しては知らんぷりなのと(いや,嘘までつく),市民には警戒を呼びかけながら,500ベクレル超過が判明するまで手を打たない埼玉県。どっちがいいのやら。そしてあなたの自治体では?

私は,どんな微量であれ,放射性物質に汚染された食品は危険と思います。しかし,今回は,とにかく,役人が500ベクレルと言うラインを規定したのだったら,それを守るのが役目ではないか,という点を問うてみました。しかし,結局のところ,返事は「多少のもれがあっても,500ベクレルのものをいっぱい食べたからと言って,即,危険というわけじゃないですから」なんて言い方なのです。こんな,適当な仕事をしているようでは,話になりません。一切の法律や基準というものが,そのように運用されるのでしょうか(120キロや130キロでも,ぶつからなきゃいいよね...的な)。それとも,放射性物質に関しては例外とする確かな理由(いいわけ)があるというのでしょうか。

汚染牛肉は未だ流通中 2

以前にも書いた,500ベクレル超過の牛肉流通の可能性について,9月29日に電話をかけた宮城県の「そうなんです,流通しています」の電話の返事をもとに,きょう,10月6日に東京都の東京都福祉保健局健康安全部健康安全課:03-5320-4657にも確認の電話をかけました。

まず,驚くことにこの窓口では,汚染稲わらを食べた疑いのある牛肉で500ベクレルの暫定規制値を超過したものは,絶対に流通していないという認識でいたということです。いったい,どこからそんな話が出て来るのか,問い詰めると,つまりは,根も葉もない「神話」なのです。私は,こんな人たちがお給料をもらっていることが信じられません。

最初に,汚染された稲わらを食べた危険な牛肉が流通している可能性について,こちらから,9月21日に東京都の検査で判明した920ベクレル!の宮城県産牛肉の例を出してみました。これも,汚染稲わら牛問題が発覚する以前に屠畜されて流通していたものが,9月21日になって920ベクレルもの汚染をしていたとして報告されたもの,のはずなのです。

食品中の放射性物質の検査結果について(第197報)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001peq3.html
※暫定規制値超過例
No.163:宮城県産牛肉(Cs:920Bq/kg)


ところが,まず,電話に出た担当者は,即座に,「それは,東京まで生体で運ばれたものですね」という説明をはじめたのです。つまり,生きたまま東京につれてこられて,検査して規制値超過が判明したので,それは,未然に流通を止めたものだった,という説明をしたかったのでしょう。

しかし,上記のリスト(第197報)にも「流通品」とあるわけで,かつ,08362―20733の個体識別番号から調べると,簡単に6月23日に屠畜されていることが分かります。さらに,この番号は,9月2日の日付がついたエクセルファイルとして,9月3日に厚生労働省のサイトにアップされたリスト中に確認できるので,その疑いが公表されたのは8月25日の稲わら牛解禁以降となるのです。

放射性物質が含まれた稲わらを給与された可能性のある牛の肉の個体識別番号について(福島県以外農家出荷分まとめ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jzem.html

宮城県 出荷された牛の個体識別番号一覧(173頭)(9月3日更新)(Excel:52KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jzem-att/2r9852000001nqsl.xls

※個体識別番号からの検索では,「まとめ」みたいなものがないので,1つのページやファイルで検索できるようなものがなさそうですが,とにかく,数字を入れて検索するとヒットしてきます。この際,ハイフンを入れたり入れなかったりするのがコツです。
ところで宮城県は,稲わら疑惑牛の個体識別番号について,以前は発表日ごとのファイルを提示していたのですが,このところ,1つのファイルのまとめてしまい,いつ,その番号が発表されたのかを分からなくしてしまいました。しかし,厚生省の方は,まだ,発表日別に提示しています。

さらに,例えば,三重県のこのサイトを見ると,(三重県の流通について)詳細な経緯が記されています。このページからリンクのあるPDFファイルをながめると,「当該牛37.8kgと他の牛肉を混ぜてパックし321パック全量販売済み」といった生々しい記述があったりします。

放射性物質に汚染された可能性のある牛の肉の県内流通について(第41報)
http://www.pref.mie.lg.jp/KENKIKA/SOGOH/details/index.asp?cd=2011090453


けっきょく,のっけから,「流通以前に防いでいる」という大嘘をつかれたわけです。東京都のこの窓口に電話しても,トボケた話を聞かされるだけです。税金ドロボー!

まあ,上記のデータを示すことで,大嘘は沈んでしまったのですが,それでも,500ベクレルを超える肉が流通していることはないと,理屈もなく言い張るのです。

そこで,以前にこのサイトでも書いた,9月8日発表の510ベクレルを示した宮城県産牛肉の例も出してみました。この牛は,既に,6月6日に宮城県で屠畜され,仙台市ミートプラントから出荷されていて,それが,やっと,9月2日になって疑いのある牛として個体識別番号を公表され,9月8日に採取(購入)され,新潟市の保健衛生部保健所が検査主体となって,(財)新潟県環境衛生研究所が検査して,同日中に結果が発表されたものです。

食品中の放射性物質の検査結果について(第184報)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001o6lj.html


こうした例を出して,「神話」を言い張る電話の向こうの担当者に,屠畜日,個体識別番号の発表日,検査日の,それぞれのズレをどう解釈するのか質問してみました。クロと判明したそれまでの間,私たちが,その肉を食べている可能性はないのか,ということです。もちろん,500ベクレルを超過していると分かっても,同じ牛からとった肉の流通が,すぐには止められないだろうという予測も成り立ちます。そうしたら,もちろん,この東京都の健康安全課担当者はまともに答えられるわけはなく,今度は「詳細なことについては担当者に電話をまわします」と言い出す始末です。

だから,アンタがその担当者なんじゃ!?

2011年10月1日土曜日

利根川の水は汚染されている

水道水について,東京都の報告では,原水でも検出限界値以下だとされているのですが,「浄水場発生土等の放射能測定結果について」というのを見ると,2011年9月現在でも,しっかりセシウムが検出されているのがわかります。

東京都水道局 水道水の放射能の影響等について
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/shinsai22/index.html

※ここから,各項目にリンクがあります

「浄水場発生土等の放射能測定結果について」最新の測定結果
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h23/pdf/press_100526_1.pdf

「浄水場発生土等の放射能測定結果について」これまでの測定結果
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h23/pdf/press_1106_back.pdf


これを見ると,確実に,利根川は汚染されているということになります。おそらく,汚泥は,水中の放射性物質を,さらに濃縮しているような状態だから問題はない,と言うのでしょうけど...なんか心配です。下水からの汚泥が放射性物質で汚染されていることは大きなニュースとなりましたが,浄水場の汚泥も相当なものです。

そしてこちらは,毎日新聞の埼玉版の記事です。浄水場でも,放射性物質を検出した土が貯められていること,これまでは,浄水発生土が園芸用などに売却されていたことなどが記述されています。

大震災半年:/1 放射性の汚泥焼却灰 行き場なく「年内が限界」 /埼玉
(毎日新聞 2011年9月6日 地方版)
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20110906ddlk11040187000c.html

9月21日台風で被曝,残念!

9月21日の午後,東京は台風の直撃で大変でした。電車は途中で運転打ち切り,絵に描いたように,ケータイで台風情報と列車運行情報のページを表示できず,情報のないままずぶ濡れで歩く羽目になってしまいました。そして,やっと自宅周辺にたどり着いた時には雨が上がるという,一番愚か者の行動でした。

しかし,この話には後があって,翌日,いつもの習慣で東京都の「環境放射線測定結果」のページを見て,ちょっと驚きました。ちょうど,私が雨に当たっていた21日の午後6時前後3時間ほど,空間放射線量が高くなっていたのです。その数字は,このところ0.05マイクロシーベルト台を示していたのが,この数時間,0.08マイクロシーベルト台に上がったという,そんな話なんですが,これまた,残念な気持ちにさせられました。

環境放射線測定結果(東京都)

※ここからリンクのある「1時間あたりの放射線量」で,9月21日午後4時頃から8時頃に注目

線量が時間とともにリニアに下がって行かないもんなんだと,改めて認識。またしかし,これと同様な現象は8月19日にもあって,こちらは,日中長い時間で線量が上昇しています。
こういうことが,どうして起こるのか,きちんと調べて報告するのが報道の役目だと思いますが,どこも知らんぷりですね。

大気中の放射線量/1時間単位(8/15から21まで1週間分の測定結果)

※2011年8月19日の午後1時あたりを中心とした数字に注目

冷温にする原子炉はどこ?

このところ,原子炉を年内に冷温停止させるだの,原子炉が100度以下になったという報道がなされています。しかし,へそで茶が沸くとはこのことです。だって,原子炉の一部が壊れて,そこから燃料がもれ出しているのも認めていながら,その「原子炉」というのは,いったい何の話なんでしょうか。当然ながら,熱源のその中身が溶け出していたら,「炉」という入れ物は「冷温」になるでしょう,きっと。

原子炉の温度100度下回る(2011年9月28日)

NHKニュースのページは,すぐに消えてしまうので,このリンクも短い命ですが,このページ,見出しが「原子炉の」とあるのに,ムービー中のテロップでは、終始「原子炉周辺の」しているあたり,苦しい表現をしているのがアリアリです。というか,「周辺の」という言い訳的な言葉を選んで,ここまで自覚がありながら,アナウンサーが平気な顔でしゃべっているのは恐ろしい限りです。アンタ,こんな非論理的な原稿読んでいて,恥ずかしくないかい?

政府もマスコミもグルになって情報操作するというのは,よく言うように戦前の体制そのものです。また,細野大臣は,IAEAで「年内冷温停止」を宣言したわけで,この場合,国際機関も狂った共犯グループです。

福島第二原発中央制御室シミュレーター

3月11日から1週間ほど前の福島第二原子力発電所。中央制御室のシミュレーター。子どもたちに向かって,あたかも,原発が,数人のエリート達によって運転・制御されているかのように教育しています。悲惨な原発労働者の存在など,まったく消し去って説明は続きます。311以降のこの時点で見直すと,ブラックジョークというところでしょうか。いや,こんなのは,いいかげんにしてくれ!

2010年末,子供が小学校から鮭の卵(イクラって言う?)を持ち帰って来ました。これをふ化させるのだというのです。そして新年になって,そのうち東京近郊の多摩川にでも放流するのかと思っていたところ,2月下旬になって,「原子力発電所見学とサケを放流する会」という案内が回ってきました。場所は,多摩川ではなく,福島県楢葉町の木戸川というところです。そこまで,東京電力がバスを出してくれるというのですが,もう,これは仕組まれた原発洗脳教育だったわけです。

子供は,せっかく育てたサケの放流に行きたいと言うし,奥さんからは「そんなところに行ったら被曝する」と言われるしで,けっきょく,私と子供が一緒に行くことになったんですが,いや,こんなものに参加しちゃいけませんね。私もこの時点で,まったくの認識不足。しかし,体験後,こんなバスツアー,二度とやらせてなるものかと思っていたら,1週間後に,向こうが自滅したという話です。いや,理不尽なことに、未だに東電は潰れていないんですがね。

この日,バスに乗り込むと,さっそく東京電力のおねえさんが洗脳教育を開始します。なにしろ,片道3時間以上かかるのですから,時間はたっぷりです。当日はしかし,小学校のみんなもいるし,日頃のクレーマー的発言は止そうと思っていたんですが,一つだけ,石油依存をやめてウラン燃料に利があると説明するのに,石油産出国が集中するアラブは「政情不安エリア」だと言い出したのには,さすがに,頭に来ました。

だって,そんな紋切り型を子供たちに押し付けるから,世界中のみんなと友達になれないんじゃないですか。私の父親なんて,テレビばっかり見ているから,もう,「アラブ人ってのはすぐに戦争するんだ」と言って憚らないのですから(いや,その「アラブ人」って言われている人たちに戦争しかけたり,武器を渡して煽っているのは,「日本のお友達」と自称して,沖縄に居座ったりして,さらにお小遣いをねだっている,あの人たちじゃありませんかぁ)。

この点,バスを降りても抗議したら,同じく楢葉町にある東京電力のエネルギー館の前で,今度は,おねえさんに代わっておっちゃんが登場し,「テレビでも,アラブは政情不安って言ってるだろ」「そんなこと言うのはアンタだけだ」と,まあ,今度は,ヤクザまがいの脅しです(念を押しておきますが,産油国とウラン産出国を比較して,どっちが有利なんて言えないでしょう?)。

そして,その後,いよいよ第二原発敷地内に向かうわけですが,そのバス中,ガイド役のおねえさんは「今年は福島原発稼働40周年で記念の年なので,見学来場者10万人の目標を立てましたが,もう,3月の時点でその目標を達成してしまいました」とかナントカ,数字の記憶に自信がないのですが,とにかくそんな話をするわけです。

でもねえ,それって,僕らみたいに,東電が準備したバスに乗って,タダでやって来た人たちなんだろうから,そんな手前味噌な話って,専制国家のTVアナウンサーが語る夢物語と一緒です。とはいえ,それが,この後に続く人権蹂躙と情報統制の世界の入り口になろうとは。いやはや,これは夢であってほしい…

原子炉を運転してみよう

福島原発の事故によって人々が避難を余儀なくされ,また,多くの人々は死の灰の恐怖におののきながらの生活を強いられ,さらに,明らかに危険な環境で,高い放射線を浴びながら復旧作業に従事する人たちがいるという状況下で,このようなおぞましい展示が続いていました。

これは,佐賀県立宇宙科学館で,東日本大震災の後,2011年4月になっても展示が継続されていた,「電気をつくろう」の中の「原子炉を運転してみよう」という展示です。

そもそも,巡回展示「電気をつくろう」は,財団法人つくば科学万博記念財団が,文部科学省からの委託事業「原子力・エネルギーに関する施設の見学等」として実施している複数の巡回展示企画の一つです。驚くことに,こんな展示が,あちらこちら,全国津々浦々に展開されているのです。さらに呆れたことに,この「電気をつくろう」の展示は,既に展示期間が終了していて,この時点では,もう存在しないはずのものだったのです。

この展示では,原子炉の安全性が語られていますが,実際には,危険極まりない代物というのは,もう,だれの目にも明らかではありませんか。また,「核燃料リサイクル」のコーナーでは,湯水のようにお金を投入した挙句に,運転不能に陥ったままの「高速増殖炉もんじゅ」の写真が,それも,直接テキストからの言及もなく傍らに貼り付けられているという有様でした。つまり,「核燃料リサイクル」という絵空事が,これまた,動きもしないで毎日5500万円消費している(稼働されると,それはそれで困ってしまう)「高速増殖炉もんじゅ」によってなされているかのように「見せかける」,そんな説明になっているわけです。

これは,もはや教育でも科学でもなんでもない,出来の悪いペテンというものです。私は,「こんなものはすぐにやめてしまえ」と,大声で怒鳴り続けました。やがて,目の前に宇宙科学館の職員2名が現われたので,私はさらに「空気や飲み水に毒をばらまくような代物...」と叫びました。そうしたら,その2人はニヤニヤしながら「放射性物質は-毒-とはちょっと違いますねぇ」と反論し,また,「今回は想定外のことで,まだまだこれから時間をかけて検証しないと」などと,愚にもつかないことをしゃべりだす始末です。

まあ,そもそも佐賀県は,「プルトニウム飲んでも大丈夫」「原発が爆発するなんてあり得ない」の大橋弘忠 東京大学教授の発言を鵜呑みにするような組織ですから,「科学」の程度もこんなものでしょう。けど,だからといって,罪のない子供たちを迷わせるようなことはしないでもらいたい!


佐賀県立宇宙科学館

財団法人つくば科学万博記念財団

原子力・エネルギーに関する施設の見学等

南阿蘇に避難者多数

2011年9月5日,福島第一原発の事故を受けて,関西へ避難した後,九州を放浪している美術家井上玲からの案内を頼りに,「Genesis 2 起源展」を開催中の熊本県高森町旧上色見小学校(阿蘇フォークスクール)を訪れました。

現地では,実行委員の三枝泰之,山口次郎らが出迎えてくれました。そこで聞いたのは,311以降,首都圏から多くの避難民が,この高森町に集まっているという話でした。ちなみに,上色見小学校は,かつて,サントリー天然水CMの舞台となったところでもあります。

Genesis2 起源展
http://genesis.jpn.com/

阿蘇フォークスクール
http://asofolkschool.eco.to/npo/top.html

サントリー天然水CM
http://v.youku.com/v_show/id_XMjQ2MjEwMDYw.html

東北道汚染地帯

値段の安さに釣られて高速バスは間違いだったかも知れません。9月16日,佐野SAを過ぎて那須高原に向かうと,測定器の数字はどんどん上昇しました。

さすがに,高速で移動する車内なので,数値は安定せずに0.2マイクロシーベルトから0.8マイクロあたりを上下するのですが,この画像は,郡山と二本松の中間にある安達太良SAでトイレ休憩の途中に撮影したものです。

手持ちで立っているだけで1.21マイクロシーベルトを表示。数十秒の間に微妙に上昇を続けていたので,あと数分同じ場所にいたら、もっと高い数値になった可能性もあります。

もちろん,同じSAエリア内でも,0.3マイクロシーベルトを示す場所もあったので,すべての場所が1.0マイクロシーベルト以上というわけではなさそうですが,この芝生と,隣接している石畳付近では,高い数値を示しました。もっと測定器の位置を低くすれば,さらに高い数値になると予想されましたが,短い休憩時間だったので,慌ただしくバスに戻ってしまいました。

ところが,なんです。再び席に座ったバスの窓から,何気なく、近くに停車中のバスに戻って行く小学生のグループを眺めていたら,2,3人に1人の割合で,首に何やらぶら下げているのに気付きました。そして,それはシルバーもしくは白っぽい色の縦長の物体だと見た,その直後に,おそらく,主に積算量を測る線量計ではないかと認識しました。

まったく出来の悪いSF映画のような,いや,そういう絵空事であってほしいと思わせる出来事でした。「測って,被曝していることを知って,どうするんだよ!!」 小学生じゃなくって,そういうことをさせている大人に向かって言うべきですね。でも,その時は心の中でそう叫ぶだけです。

もちろん,すでに,福島の子供たちに線量計を持たせるというTVニュースを見たような記憶がありました。しかし,ニュースを見た時には具体的なことを、何一つ想像できていなかったのです。そして,それを目の当たりにして初めて,それが,どんなにひどいことであるのかを知ることが出来たのです。まったく自分のバカさ加減にも驚くやら,情けなくなるやら...。