2011年10月6日木曜日

汚染牛肉は未だ流通中 2

以前にも書いた,500ベクレル超過の牛肉流通の可能性について,9月29日に電話をかけた宮城県の「そうなんです,流通しています」の電話の返事をもとに,きょう,10月6日に東京都の東京都福祉保健局健康安全部健康安全課:03-5320-4657にも確認の電話をかけました。

まず,驚くことにこの窓口では,汚染稲わらを食べた疑いのある牛肉で500ベクレルの暫定規制値を超過したものは,絶対に流通していないという認識でいたということです。いったい,どこからそんな話が出て来るのか,問い詰めると,つまりは,根も葉もない「神話」なのです。私は,こんな人たちがお給料をもらっていることが信じられません。

最初に,汚染された稲わらを食べた危険な牛肉が流通している可能性について,こちらから,9月21日に東京都の検査で判明した920ベクレル!の宮城県産牛肉の例を出してみました。これも,汚染稲わら牛問題が発覚する以前に屠畜されて流通していたものが,9月21日になって920ベクレルもの汚染をしていたとして報告されたもの,のはずなのです。

食品中の放射性物質の検査結果について(第197報)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001peq3.html
※暫定規制値超過例
No.163:宮城県産牛肉(Cs:920Bq/kg)


ところが,まず,電話に出た担当者は,即座に,「それは,東京まで生体で運ばれたものですね」という説明をはじめたのです。つまり,生きたまま東京につれてこられて,検査して規制値超過が判明したので,それは,未然に流通を止めたものだった,という説明をしたかったのでしょう。

しかし,上記のリスト(第197報)にも「流通品」とあるわけで,かつ,08362―20733の個体識別番号から調べると,簡単に6月23日に屠畜されていることが分かります。さらに,この番号は,9月2日の日付がついたエクセルファイルとして,9月3日に厚生労働省のサイトにアップされたリスト中に確認できるので,その疑いが公表されたのは8月25日の稲わら牛解禁以降となるのです。

放射性物質が含まれた稲わらを給与された可能性のある牛の肉の個体識別番号について(福島県以外農家出荷分まとめ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jzem.html

宮城県 出荷された牛の個体識別番号一覧(173頭)(9月3日更新)(Excel:52KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001jzem-att/2r9852000001nqsl.xls

※個体識別番号からの検索では,「まとめ」みたいなものがないので,1つのページやファイルで検索できるようなものがなさそうですが,とにかく,数字を入れて検索するとヒットしてきます。この際,ハイフンを入れたり入れなかったりするのがコツです。
ところで宮城県は,稲わら疑惑牛の個体識別番号について,以前は発表日ごとのファイルを提示していたのですが,このところ,1つのファイルのまとめてしまい,いつ,その番号が発表されたのかを分からなくしてしまいました。しかし,厚生省の方は,まだ,発表日別に提示しています。

さらに,例えば,三重県のこのサイトを見ると,(三重県の流通について)詳細な経緯が記されています。このページからリンクのあるPDFファイルをながめると,「当該牛37.8kgと他の牛肉を混ぜてパックし321パック全量販売済み」といった生々しい記述があったりします。

放射性物質に汚染された可能性のある牛の肉の県内流通について(第41報)
http://www.pref.mie.lg.jp/KENKIKA/SOGOH/details/index.asp?cd=2011090453


けっきょく,のっけから,「流通以前に防いでいる」という大嘘をつかれたわけです。東京都のこの窓口に電話しても,トボケた話を聞かされるだけです。税金ドロボー!

まあ,上記のデータを示すことで,大嘘は沈んでしまったのですが,それでも,500ベクレルを超える肉が流通していることはないと,理屈もなく言い張るのです。

そこで,以前にこのサイトでも書いた,9月8日発表の510ベクレルを示した宮城県産牛肉の例も出してみました。この牛は,既に,6月6日に宮城県で屠畜され,仙台市ミートプラントから出荷されていて,それが,やっと,9月2日になって疑いのある牛として個体識別番号を公表され,9月8日に採取(購入)され,新潟市の保健衛生部保健所が検査主体となって,(財)新潟県環境衛生研究所が検査して,同日中に結果が発表されたものです。

食品中の放射性物質の検査結果について(第184報)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001o6lj.html


こうした例を出して,「神話」を言い張る電話の向こうの担当者に,屠畜日,個体識別番号の発表日,検査日の,それぞれのズレをどう解釈するのか質問してみました。クロと判明したそれまでの間,私たちが,その肉を食べている可能性はないのか,ということです。もちろん,500ベクレルを超過していると分かっても,同じ牛からとった肉の流通が,すぐには止められないだろうという予測も成り立ちます。そうしたら,もちろん,この東京都の健康安全課担当者はまともに答えられるわけはなく,今度は「詳細なことについては担当者に電話をまわします」と言い出す始末です。

だから,アンタがその担当者なんじゃ!?

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